2016年12月14日水曜日

実は一ヶ月間腕をケガしてました




年内出演するコンサートも無事に終わり、今日から接骨院へリハビリに通ってます。




一ヶ月前、出かけていた時に自転車に乗っていた時に滑って転落。左手を激しく挫きました。
手をついた瞬間「これはマズい!!」と思うような感触。そのままゴロゴロッと身体が倒れました。

一旦家に帰り自分で包帯を巻いて、次の日にすぐ病院に行きました。

結果は「TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷」。その場でギプスを嵌め、3週間の安静を余儀なくされました。

このケガを簡単に説明すると,手首には尺骨と手根骨の間でクッションとして働き関節の安定を与えている部分があります。それが三角線維軟骨複合体(TFCC)と呼ばれる部分です。そこが損傷されると手関節痛が起こり、少し手を回しただけでも嫌な鈍痛が来るようになります。

手をついて転倒した時やラケットを持つスポーツ(特にテニスが多いようです)で変な方向へ手首を曲げてしまった時に起こるケガのようです。

僕もはじめはかなり痛く、ドアのノブも回せない状態に陥りました。


はっきり言ってギターを始めてからここまでのケガをしてしまったのは本当に初めての経験で、悔しい思いでいっぱいでした。
はじめの一週間は気持ち的にもかなり落ちてしまい、左手の握力は5kgくらいに低下。日常生活もほぼ片手で作業をしました。
一番大変だったのはお風呂。左腕にはギプスが濡れないようにビニールを巻いて入っていたので、右手で全て身体を洗わなくてはいけないのですがこれがものすごいストレス。かなり大変でした。

いつも朝に練習するということを突然できなくなるのは、空虚だし、不安も焦りも増大していきました。
いざ自分の生活の一部を奪われると何をして良いのかわからなくなりますね。

でもその時に思ったのは、「ギターを弾くことだけが練習なんだろうか?」ということでした。
確かに弾かないと感覚が衰えるのは確かですが、弾かずとも練習、研究できることがある。

譜面を見てメロディーを歌ってみる、イメージトレーニングをする。譜面を書く、理論を勉強する。
コンサートを聴きに行って勉強する。歴史を学ぶ。映画や音楽など様々な作品に触れる。

そういうことも練習の一つだと思い、少しずつではあるけれどできることを一つ一つやるようにしていきました。
そのほうが気持ちが前向きになるし、目標も見えてくる。「治ったらこの曲を演奏してみたいな」という思いが強くなる。

とにかくストレスを貯めない。「なんでこんなケガ、、、」と思わない。そういうマインドでいたら段々回復してきました。
3週間後には、レンジの広い運指でなければ普通の曲はなんとか弾けるようになってきました。

本番前のリハーサルも10日前からやっと参加できて一安心。
全体のリハーサルの大半をお休みしてしまって、共演者の方々にご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが皆が快く迎えてくれたことは本当にありがたかったです。

手の動きは制限した部分もありましたが、本番で無事に演奏出来たことが嬉しかったです。




 今回ケガをして感じたことは沢山ありますが、まず思うのは楽器が弾けない状況に陥っても出来る事は沢山ある。ということです。
日々の練習でやってないこと、出来ていない作業を一気に出来るチャンスだと捉えて良いのだと感じました。
確かに楽器が弾けないのは辛いけど、それをマイナスからプラスに変えるのは自分自身の問題なんだなあと感じました。

 そしてこの記事をお読みになってくれた楽器奏者の方、TFCC損傷は骨が折れているわけでもヒビが入ってるわけでもありませんがかなり厄介で怖いケガです。ちょっと転んでしまったりふとした拍子に手を突いて痛めてしまったらすぐに病院に行って看てもらってください。
そのまま放置すると後遺症が残るケースもあるそうです。軟骨はもともと回復するまでに時間がかかる部位だそうで僕もこれからリハビリを続ける予定です。

身体も楽器の一部なので日々労って、ケアすることが大切だと今回改めて思いました。